聚義録

毎月第1・3水曜日更新

2022-01-01から1年間の記事一覧

『水滸伝』本文校勘の意義:小松謙『水滸傳と金瓶梅の研究』

小松謙氏は『水滸伝』テキストの校勘の意義について次のように述べます。 『水滸傳』の諸本間に多くの本文異同があることは周知の通りである。いわゆる繁本と簡本が大きく本文を異にすることはいうに及ばないが、繁本・簡本同士の間にあってもかなりの異同が…

金文京『三国志演義の世界【増補版】』

今回は『水滸伝』ではなく『三国志演義』に関する書籍を紹介します。金文京『三国志演義の世界【増補版】』(東方書店、2010)は白話小説を研究する者の必読書(私はそう教わりましたし、私もそう思います)で、私は学部生時代に本書からさまざまな研究手法…

盛巽昌補証『水滸伝補証本(増訂版)』

今回は盛巽昌補証『水滸伝補証本(増訂版)』(上海書店出版社、2019)という書籍を紹介します。 本書の内容を簡潔に言えば、『水滸伝』の内容について注釈を付け、その典故や関連事項を解説したものです。例えば、第一回の冒頭にはこのように注釈が付けられ…

あけましておめでとうございます

新年あけましておめでとうございます。皆様いかがお過ごしでしょうか。 昨年に聚義録を開設してから10ヶ月ほど経ちました。当初はどれだけ読んでいただけるものか思っておりましたが、想像以上に多くの方々にお読みいただき、そのことが大変励みになりました…